点・線・面~II

興味関心のあることがらについて備忘録的に記して行きます。

めっちゃ使える、光造形3Dプリンター

以前の記事にて、FDM方式の3Dプリンターについて記しました。これはこれで十分に実用になっています。使えるノズルの最小径が0.2mmということもあり、サブミリ台の寸法が重要になるような部品はさすがに上手く作れませんでした。
こんな限界も見えていたので、光造形の3Dプリンターも買っていました。SK本舗さんオリジナルのPhrozen Sonic Mini 4K SK Edition_SKSONICMINI4Kです。普段使っているレジンは同じくSK本舗さんオリジナルの高靱性水洗いレジンです。
使いはじめ当初は、造形後の部品洗浄と乾燥の重要さが良く判っておらず、適当に処理していて、どうも仕上がりが寸法的にも表面状態的にも思わしくなく、「安いし、こんなもんなのかな~?」と思っていました。Youtube等で諸先輩方々の情報を見ていると、この辺りが重要とのことが判り、洗浄は中性洗剤を溶かした水の中で筆を使って念入りに行い、乾燥は除湿機を回しっぱなしの部屋(40%RH程度)で12時間以上自然乾燥させた後に、2次硬化させる事で、造形品質が大きく向上する事が判りました。
寸法的には10mm以下であれば、0.05も暴れません。アルミの切削部品の一般的な公差よりも安定した寸法で部品を作る事が出来る様になりました。

実際に仕事で使う部品を作ってみるとこんな感じです。

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この数週間設計的に苦戦していた機構部品です。機能上必要で高さ0.15mmのリブとかがあるのですが、その辺りもしっかりと造形出来ていて、ちゃんと設計上の思惑通りに動く機構が出来上がりました。

今回設計している製品は、納品分としても100台程度しか作らない製品でして、このサイズの部品を実際に加工屋さんに作っていただくとなると、なかなか痺れる費用が掛かります。この位の数量であるが故に時間さえ確保出来れば、地道に3Dプリンターで作って本番用の部品として使う事が出来ます。

数年前に、設計を進めて行く途中で部品を気軽に作って設計品質の改善を目指して、小さいCNCフライスと旋盤を買ったことがあるのですが、使いこなすのに手間が掛かるのと、部品の形に合わせて治具を作る手間などがあり、所期の目的を果たせず、限りなく無駄遣いに終わっていました。こんな部品を作る事が出来る機械が10万円もんしないで買えてしまうと、つくづく時代の変化を感じます。

 

この分野はまだまだ進化の途上でしょうから、数年ごとに新しい機械を買っちゃいそうですが、楽しみです。