点・線・面~II

興味関心のあることがらについて備忘録的に記して行きます。

憧れの作業に立ち会えました

小学校で歴史を習い始めた頃から、歴史は好きでした。
特に好きだったのは、先史から古墳時代くらいまででした。あまりに昔なのと文字情報が無いこととが相まって、妄想が膨らませ易いところが気に入っているみたいです。
大学も歴史方面に進むことも考えた事があるのですが、大学で学んだことを直接行かせる職に就ける可能性が低そうなので、もう一つの関心方向で打率が高そうな、技術屋になった次第です。

そんな私がたまたま出会えた土地が運良く(?)埋蔵文化財包蔵地の指定を受けていました。旧石器時代からの遺物が見つかる土地だそうでで、ずっと人が住んでいるようです。

当該地が地山でして、普通にベタ基礎の住宅を建てるために掘るだけでも、関東ローム層まで到達してしまう可能性が高いとのことで、基礎工事の前に市役所で試掘を行ってもらう事になりました。工務店さんは結構嫌がっていたのですが、私としては大歓迎イベントです。この調査に施主は立ち会う必要は無いのですが、私の都合に合わせて調査を行ってもらいました。

まずは、こんな感じでどのくらい掘れば縄文時代の地層(関東ローム層が目安らしいです)に当たるのかを慎重に掘り下げていきます。地面から40~50cm掘ったところで到達しました。次に、関東ローム層が掘り下げられている面を慎重に掘っていきました。

そうしたら出ました。

黒曜石の石器片。
流石にこの近所では黒曜石は産出されないので、ここにあるということは、当時においても随分遠距離との人の往来があった証です。
気分が上がります。

その後、縄文土器片も出てきました。

これと同じくらいのサイズのものが5個ぐらい見つかりました。

と、これら程度の遺物が出てくると、発掘調査の段階としては、本調査と言うものになるそうです。
本調査と言っても、さして広くない土地ですので、合計2日間の発掘調査で終わってしまいました。

他にも、火を焚いた跡も見つかりました。残念ながら住居跡とかの大物までは見つかりませんでした。これまでの付近の発掘調査の結果から類推するに、集落の端っこで壊れた土器や石器を捨てた場所だったのかも、とのことです。

これらの遺物が出た場所を念入りに発掘していた断面がこちら。

明らかに人為的に土地の形が変えられている様が見て取れ、実に興味深かったです。

冒頭に印した様に、歴史好きにとってはこうして発掘調査をつぶさに見られたのは嬉しい経験でした。

この様に市が行う発掘調査の実働部隊は毎年募集があるとのことでしたので、次に募集があるときには応募して、実際に掘り掘りしたく思っています。

こんな事がきっかけになって、歴史好き熱が数十年ぶりに再燃して、最近では地元のみならず、旅先でも考古資料館を見つけると見学して、少しずつ分解能を高めるべく知識の蓄積に邁進しています。

住宅地としては、古くから人が住んでいた土地ほど、自然災害に対してのリスクは低いはずですので、つくづく良い場所と出会えたものだと嬉しく思っている次第です。