点・線・面~II

興味関心のあることがらについて備忘録的に記して行きます。

終活としての家づくり

生まれたところは当然として、50数年間生きてきて、住む場所を自分の意志で積極的に選んだ事がありませんでした。諸条件に合わせて惰性で住んできました。

それぞれのところで、それなりに良いところを見つけて、楽しみながら暮らしてきていて、今住んでいる家にも満足はしています。
こんな写真が部屋から撮れたりするし。

ただ、今の家では、家に辿りつくのに急な坂があるのと、日々の買い物をはじめとする暮らしに車が欠かせないところが難点でした。

数年前から、老後に向けて今の家を大幅にリフォームするつもりでしたが、昨年の暮れに突然嫁が、
「年をとって車に乗れなくなっても生活できる所だったら引っ越してもいい」
と言い始めました。
ちなみに、嫁は私以上に今の家の環境が気に入っていて、私が常に抱いていた移住願望は悉くブロックされてきました。
嫁はごく希に、妙な御宣託めいたことを言うシャーマンっ気があり、それに従ってきて結構いい感じに人生を送れてきました。
今回もその御宣託に賭けて家探しを始めました。

ネットで探し始めて30分ほどで、場所、環境、サイズ、価格共にビンゴな感じの中古物件を見つけました。
不動産屋さんに連絡して、2日後には現地確認をし、一週間くらいの間に、付き合いのある信用金庫の担当者、IFA、工務店、等の各位に問合せたり、

www.land.mlit.go.jp

等の情報源を頼りながら、価格の妥当性を確認して、物件を見つけてから一週間半くらいで契約しちゃいました。

この契約した時点に想定していたよりも、諸条件が変わってきて、元々あった古屋をリフォームするのでは無く、完全に建て替える方向に切り替えた事などもあり、目下家づくりは進行中です。
リフォームから新築へと計画を変更したことにより、資金面の負担は大きくなってしまいましたが、

www.e-stat.go.jp

によると、後30年くらいは生きられそうなので、まぁいいか、と割り切ることにしました。
この物件を見つけてから8ヶ月くらい経過しましたが、その間にも自らの幸運さを確認するつもりで、不動産探しを続けてきましたが、未だに今回見つけた物件よりもいいところが見つかっていないので、つくづく御宣託が降りてきてタイミングをありがたく思う次第です。

そうした訳で、目下家づくりが主な活動になっていますので、これらのネタでしばらくブログを書いて行こうかと思います。



淡路島への旅

仕事系出張ツアーの日程調整で、淡路島に出かけてきました。

この手の滞在先としては、毎度の事ながらADDressのお宿にお世話になってきました。
投宿したのは南あわじ市の廣野松原に面した建つ何とも快適で素敵な宿でした。
使わせていただいた部屋からの景色が最高です。

気持ちの良い風が抜け、松林が目の前に拡がります。

余談ながら、照明の使いかが上手なのもポイント高しです。
夜になっても快適でした。

廣野松原の海岸は穏やかでした。
瀬戸内海の波打ち際を歩くのは初めてでした。
その穏やかさに静かな感動を覚えました。
そして、夕焼けがきれいです。


この辺りは日本瓦の産地であることもあるのでしょうが、松原の中に瓦にプロポーズなどの言葉を刻んだものを並べてある、廣野松原プロポーズ街道なる道がありました。この日はおおらかな心持ちで歩けたので、これらのプレートを微笑ましく眺められました。いつでも他人様の幸福に素直に喜べる人でありたいな、と思いました。
このような道がある故か、浜辺には結婚式用の写真を撮っている方もいました。気の小さい私は、遠くからお裾分け写真を撮らせてもらいました。

いい景色でした。

今回淡路島を訪れた最大の目的は、淡路島の太平洋側に浮かぶ沼島の上立神岩を見ることでした。
淡路島の土生港から小型のフェリーで行けます。
ここは、先日訪れた小倉の藍島よりは少し大きくて、人口もそれなりな様で、島内を走る車にはナンバープレートがついていました。(当たり前か)
集落の雰囲気は離島らしく穏やかでした。

港から20分くらい歩いて、港と反対側に出ると、上立神岩を拝めます。

寄りで撮ると、

いい眺めです。
瀬戸内の海とは打って変わり、海の景色が全然異なる太平洋の荒々しい海の中から伸びる奇岩がありました。
伊弉諾伊弉冉が沼矛を使って作ったとの伝承はホントだろ、と思わせるような神々しさを感じました。
見に行き、その場の空気感を感じる価値は多いにある場所だと思います。
出かけて行って良かったです。

淡路島の文化については全然予備知識が無かったのですが、淡路人形浄瑠璃というものがある様だったので、それを見てきました。
先ずは、淡路人形浄瑠璃資料館に行きました。
開館時刻に訪れたからか、学芸員さんがそれぞれの展示品について細かく解説をして下さり、とても勉強になりました。今の文楽の始まりは淡路島だったようです。全然知りませんでした。最盛期(江戸中期)には淡路島には40以上も人形座があったそうです。今よりは人口は少ないのでしょうから、驚くべき浄瑠璃密度ですね。
その後、島に唯一残る人形座の劇場~淡路人形座~に赴き、淡路人形浄瑠璃の演目を見てきました。
劇場はこぢんまりしていますが、風情も本格的で芝居が始まる前の高揚感も味わえます。

浄瑠璃淡路人形浄瑠璃の特徴が盛り込まれている演目とのことで、玉藻前曦袂 神泉苑の段という演目でした。人形の早変わりが見せ場とのことでしたが、その通りでして、かなりの芸で感嘆しました。
淡路島の文化度の高さ見せつけられました。



瀬戸内の穏やかな波打ち際を歩いていて、こうした穏やかな時間を持てる幸せを実感しました。
これからも、少しでも長くこんな時間が持てるように、万事慎ましく養生しながら過ごして行かなきゃ、と思った次第です。

今度は、ちゃんと連れを伴って再訪してみたいです。

 

門司港への旅

福岡への出張の宿として、ADDress門司港A邸に滞在してきました。

門司港が華やかであった頃に料亭街であったエリアに経つ古民家でして、道中や家そのものに時代を感じるとても興味の尽きないお宿でした。

滞在したお部屋はこんな感じ。

一人で過ごすには、十二分な広さで快適でした。

こちらに滞在中は、同宿の方や管理人さんとも楽しくお話をする事が出来まして、旅に奥行きを与えてくれました。
こうして、さまざまな方々と交流を持つ旅に、世間の多様さを実感出来て、安心します。SNSをはじめとするネットの記号化された世界ににどっぷり浸かっていると、そうした実社会が持っている多様さを忘れそうになるので、こうした機会は貴重です。

門司港の街は、駅舎をはじめとして、明治の終わりから大正期にかけて建てられた建築が残っていて、これらがいい味を出しています。カメラをぶら下げての散歩が捗ります。


一連の建物の一つではあるのですが、鉄分不足な方におすすめの九州鉄道記念館があります。ここは心底楽しめました。

平日の午前中に行ったことも幸いしたのでしょうが、空いていてじっくりと国鉄時代の名車を眺めることが出来ました。コロナ対応で581系などの車両の中に入ることが出来なかったのが実に残念でした。

門司港ではないのですが、小倉の沖にある猫島として有名な藍島にも行ってみました。
噂に違わぬ立派な猫島でして、そこかしこに猫がいて、癒されました。


出張用の宿泊地として訪れましたが、思いの外良いところでしたので、近いうちに家族と共に改めて純粋観光として再訪したいと思います。

出張の自由度が高まります

ADDressに入った目的の一つに、出張時の日程にゆとりを持たせるのと、経費を抑える事がありました。

今回は、そんな目的に合致するお宿の選び方で、福岡に滞在しました。

宿泊したのは、ADDressオリジナルではなくて、提携している宿泊施設です。

 

元々はオフィスビルだった用でして、なかなか格好良くリノベーションされている施設です。

滞在した部屋はこんな感じ。

一人で泊まるのには勿体ないくらい広くて快適です。

この手の宿泊施設では当たり前な感じですが、トイレやシャワーは共同となっています。
ビジネスホテルで、ちんまりとまとまっているのも便利ですが、そこに引きこもっているとびっくりするくらい動かないので、少しくらい歩くのも良いかと思います。

オペレーションがとても省力化されていて、チェックインは前日にメールが届いて、webで済ませる事が出来て、部屋に入るための暗証番号がメールで送られて、全く人手を介さずにチェックイン出来ました。
システム構築などに投資は必要なんでしょうど、一度仕組みが出来てしまえば、低ランニングコストで運営が出来そうです。
こうした仕組みを作った人は、賢いなぁ~と感心してしまいました。

福岡には、何かとご縁があるので、これからも利用させてもらいそうな予感でいっぱいです。

山梨への旅

少し前の事ですが、ADDressを使っての旅の2段目として、上野原の施設に滞在してきました。

中央道はよく使っていたので、上野原の場所は知っていましたが、降りたことはなく初訪問です。山間の街でして、なかなかの高低差がありました。日が沈む時間が早く、谷の深さを感じます。

滞在した施設は、築300年の古民家を上手にリフォームした建物でして、気分的にも身体的にも快適でした。

 

二晩の滞在でしたが、家守さん(施設を管理して下さっている方)や他の滞在者の方々と、二晩ともお酒を飲みつつのお話が出来たのが、めっちゃ楽しかったです。
いろいろなところで、偶然の重なりがあって、面白い体験でした。

せっかく出張ったので、昼間は行った事の無い場所をと思い、昇仙峡方面に出かけました。
本当に奇景でして、見応えのある場所です。

川に深く削られた渓谷が深く急峻であり、なかなか他では見ない景色の連続でした。
地盤の組み合わせの妙が成せる技なのでしょうか。
少し足を伸ばしただけで、全然違う景色を見ることが出来るこの国土は興味が尽きない所だなと思いました。

ADDressに加入して、無理矢理に旅をしてみるのは、なかなかに楽しいですね。
これまで、仕事の都合があっての旅(=出張)ばかりで、全然その土地の風土を体感することがなかったので、これからは少しでも体感量を増やしていきたいと思います。

信州への旅

なぜだか分からないのですが、昔から移住願望が強くあります。
実現出来ずに、ひたすらに願望のままで、心底は望んでいないのかも知れません。

こんな表層的な願望に少しでも寄り添えそうなサービスを見つけたので入ってみました。

ADDress【公式】|定額住み放題 多拠点生活プラットフォーム

です。

最初滞在先に選んだのは長野県の伊那です。
特段の理由があったわけではないですが、大昔に近所の塩尻に3年間住んでいたのにも係わらず、訪れたことのない街だったので選びました。

滞在先はシェアリングハウスの提携先でして、民家の一室に滞在する感じで、落ち着けました。

到着後少し時間が経ってからの写真ですので、少し荒れてます・・・・・

到着した日は雨だったのですが、翌朝は晴れていまして、久しぶりに感じる信州の光でした。

この空の色が懐かしいです。地域で空の色というか降り注ぐ光に違いがあるのが楽しいです。

滞在中は、奈良井宿や松本を散策して、新たな気づきがいくつもあり楽しめました。

 

 

割と国内外への出張は多かった方だとは思いますが、あくまでも仕事に係わる旅でしたので、眼に入るものへの関心の持ち方がやや希薄であったように思います。
せっかく自由が効く環境になったので、いろいろな土地を訪れて見て、社会を見る眼の解像度を上げて行きたいと思います。

そのうち、本当に住んで見たい土地を見つけて移住してしまうのか?あちらこちらを見て歩くうちに、好奇心が満たされて、今の住処に満足するのか?
自身の心境の変化も楽しみです。


 





めっちゃ使える、光造形3Dプリンター

以前の記事にて、FDM方式の3Dプリンターについて記しました。これはこれで十分に実用になっています。使えるノズルの最小径が0.2mmということもあり、サブミリ台の寸法が重要になるような部品はさすがに上手く作れませんでした。
こんな限界も見えていたので、光造形の3Dプリンターも買っていました。SK本舗さんオリジナルのPhrozen Sonic Mini 4K SK Edition_SKSONICMINI4Kです。普段使っているレジンは同じくSK本舗さんオリジナルの高靱性水洗いレジンです。
使いはじめ当初は、造形後の部品洗浄と乾燥の重要さが良く判っておらず、適当に処理していて、どうも仕上がりが寸法的にも表面状態的にも思わしくなく、「安いし、こんなもんなのかな~?」と思っていました。Youtube等で諸先輩方々の情報を見ていると、この辺りが重要とのことが判り、洗浄は中性洗剤を溶かした水の中で筆を使って念入りに行い、乾燥は除湿機を回しっぱなしの部屋(40%RH程度)で12時間以上自然乾燥させた後に、2次硬化させる事で、造形品質が大きく向上する事が判りました。
寸法的には10mm以下であれば、0.05も暴れません。アルミの切削部品の一般的な公差よりも安定した寸法で部品を作る事が出来る様になりました。

実際に仕事で使う部品を作ってみるとこんな感じです。

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この数週間設計的に苦戦していた機構部品です。機能上必要で高さ0.15mmのリブとかがあるのですが、その辺りもしっかりと造形出来ていて、ちゃんと設計上の思惑通りに動く機構が出来上がりました。

今回設計している製品は、納品分としても100台程度しか作らない製品でして、このサイズの部品を実際に加工屋さんに作っていただくとなると、なかなか痺れる費用が掛かります。この位の数量であるが故に時間さえ確保出来れば、地道に3Dプリンターで作って本番用の部品として使う事が出来ます。

数年前に、設計を進めて行く途中で部品を気軽に作って設計品質の改善を目指して、小さいCNCフライスと旋盤を買ったことがあるのですが、使いこなすのに手間が掛かるのと、部品の形に合わせて治具を作る手間などがあり、所期の目的を果たせず、限りなく無駄遣いに終わっていました。こんな部品を作る事が出来る機械が10万円もんしないで買えてしまうと、つくづく時代の変化を感じます。

 

この分野はまだまだ進化の途上でしょうから、数年ごとに新しい機械を買っちゃいそうですが、楽しみです。